わかりやすく再利用しやすい共有フォルダ構築ガイドライン
あなたの会社の共有フォルダも、やっぱりぐちゃぐちゃカオス状態ですか?
そしてある日上司に「とりあえずちゃちゃっと整理して」と、担当者として任命(丸投げ)された?
そんなあなたに送ります。
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以前書いた記事では、「フォルダを整理する」ためのテクニックを紹介しました。しかし混沌とした共有フォルダの整理は、何から手を付けていいかわからず、意外と手間取るものです。
そこで今回は要件の整理~フォルダの設計~移行~運用まで含めた一連の作業を、ガイドラインとしてまとめました。
なお色々書いてますが、必要なさそうなら全部のタスクをやらなくてもいいです。また要所で、なるべく上位者に相談したり、レビューしてもらうのがいいと思います。(一番最初に「こういうタスクで進めようと思います。適宜アドバイスいただきたいのでよろしくお願いします」って宣言しておくと上司の心証がいいかも。)
共有フォルダ構築ガイドライン
1. 要件の整理
[目的]
共有フォルダを利用するユーザーにとって、必要な要件を整理する。
[Input]
- 現行のフォルダ構成
- 現行のフォルダに格納されているファイル
- 現行の運用手順
[実施すること]
- 現行のフォルダ構成や中身をリストアップする。また、カテゴリ分類をしてみる
- フォルダのリストをGrepするツールややり方はググる - 現状起きている問題点をリストアップしてみる
- 共有フォルダの要件(業務上必要な機能・用途など)をリストアップしてみる
- 実際にフォルダを利用している人にヒアリングして、問題点・要件を精査する
- その際、上記で作った現行フォルダのリストをもとに具体的にヒアリングする
- 上記で作った問題点・要件が正しそうか、ほかにないか、などを確かめる
- 用途ごとにもれなく話が聞けるように、色々な人に話を聞いてみてもいいかも(特に自分が知らない範囲の業務については、詳しい人に話が聞けるといい)
- 要件・問題点の重要度なども調べられるといい - 問題点の原因、対応策を考えてみる
- 共有フォルダの階層構造や、運用ルールでどのように解決できそうか考えてみる
- 共有フォルダで解決できない問題点も出てくるかもしれない。それはそれで別途改善したらいい
[Output]
- 問題点・原因・対策リスト
- 要件リスト
- 現行フォルダのカテゴリ・ファイルリスト
2. フォルダ階層の設計
[目的]
対策リスト、要件リスト、現行フォルダリストを元に、新しいフォルダ階層案を作成する
[Input]
- 問題点・原因・対策リスト
- 要件リスト
- 現行フォルダのカテゴリ・ファイルリスト
[実施すること]
テクニックの詳細は前回の記事を参照
- モレ・ダブりがないように上位階層から順に定義する
- 現行フォルダのカテゴリを元に、不要なものを削ったり、ダブってるものを統合する
- 現行フォルダにはないが必要なカテゴリを新規に作る
- 2階層目以降での年月日分類なども検討する - 使いやすいフォルダ階層にする
- 要件や問題の対策リストを元に、用途に沿った分類にする
- ユーザーが迷わないようなわかりやすいフォルダ名にする
- フォルダ名先頭に連番を付与する
- 図書館のように、番号で大カテゴリを示す
- 階層が深くなりすぎないようにする
- 個人用フォルダや、とりあえずフォルダを作っておく - フォルダ階層定義のリストを作る
- どのようなファイルをいれるのかわかるように、説明や具体例を適宜書いておく
- 実際に使う人にレビューしてもらう
[Output]
- フォルダ階層定義
フォルダ階層定義のフォーマット例
3. 運用ルールの設計
[目的]
共有フォルダを継続的に使うための運用ルールを設計する
[Input]
- 問題点・原因・対策リスト
- 要件リスト
- 現行フォルダのカテゴリ・ファイルリスト
- フォルダ階層定義
[実施すること]
- 誰が、どの階層までを自由に触っていいかを検討する
- アクセス権の設定を検討する。(Windowsのドメインユーザーやグループに対し、フォルダごとの読込・書込権限の設定もできます) - フォルダ・ファイル名の命名ルールを検討する
- 時間軸を伸ばしたときに、必要そうなルールを検討する
- ここに置いてあるファイルは定期的に棚卸します、とか
- 管理者を変更するときには~とか - なるべく最小限のルールにする。
- 問題があったら後から追加変更するスタンスで - 運用ルールを明文化する。またユーザーにレビューしてもらう
[Output]
- 運用ルール
4. フォルダの移行
[目的]
フォルダの引っ越しをする
[Input]
- 現行フォルダのカテゴリ・ファイルリスト
- フォルダ階層定義
[実施すること]
- 現行フォルダ・ファイルのディレクトリリストはGrepしてとっておく
- ショートカットや、ドキュメント内にリンクがあったりすると、あとで困るので - 現行フォルダを使っている人たちに引っ越しの合意をとっておく
- スケジュールや変更内容はなるべく早い段階で説明して合意をとっておいた方がいい。
- 新しいフォルダ階層と運用ルールが作れたら、再度説明してOKかどうか確認しておいたほうがいい - お引越しする
- フォルダを作ったりファイル移動したりするのは、ググるとうまいやり方やツールがあるのかもしれない。
5. フォルダの運用
[目的]
運用ルールにのっとり、継続的にフォルダを再利用可能な状態にする
[実施すること]
- フォルダ階層定義と運用ルールは誰でも見れるようにしておく
- 運用ルールが定着するまでは、定期的に見張っておく
- 問題があれば、適宜フォルダ階層や運用ルールを見直す
- 適宜管理者を立てて、役割分担したり作業を引き継ぐ
- あなたの手から手放そう
以上。頑張ってください。